楽しむことは罪ですか?
おはようございます。
スポーツドクター辻秀一です。
ここ最近、スポーツの体罰のことが
話題になっています。
スポーツを、そしてバスケットボールを
愛するわたしにとってはとても残念なことです。
この根底には苦しくないと勝てない、
苦しくないといけない、
苦しんだ先にだけいいことがある。
という考えがあると思います。
これは世界中で日本にしかないと思います。
スポーツでも仕事でもコーチの年代が
「巨人の星」を見て育っているせいか、
その影響が強いかもしれません。
星飛雄馬はいつもつらそうに
苦しんでいるところしかありませんよね。
とかく日本人は「楽しい」原因は
外にあると思っているから、勝たない限りは
楽しくないとなります。
当然、勝利の喜びというのはありますが、
その一瞬だけで刹那的です。
毎日練習したから勝つので、
日々の練習も楽しんでやるべきです。
とわたしは声を大にして言いたい。
そもそも楽しいと楽(ラク)が
同じ字だというのが、問題だと思います。
この字が誤解を招いている感じがあります。
どうしても楽しいというのは楽(ラク)して
手を抜いている感じがありますから。
また、楽しいということはどちらかというと
満足してしまっているという
悪い印象を持っている方もいるようです。
今の状態を楽しいといってしまっては、
満足してしまい努力をしなくなって
しまうのではないでしょうかと。
わたしは手を抜いて適当にやるということを
推奨しているわけではありません。
勝ったほうが絶対いいに決まってます。
ただ「楽しい」は笑っていることだけが、
「楽しい」ということではありません。
楽しい気分を感じればいいのであって、
笑っていなくても楽しい気分は充分に
感じることができるのです。
つまり、英語でいう「play」という
発想こそがこの状態でこの動詞そのものに
「楽しい」が入っているのです。
日本語にはそれがありません。
Playは、遊びの要素もたしかにありますが、
楽しんで何かをするという意味合いが
含まれた動詞です。
ですから
“Play baseball”、
“Play basketball”、
といいますね。
決して遊ぶという意味ではなく、
すること自体を楽しむという意味になります。
これこそがわたしが言いたいことなのです。
スポーツでも仕事でも一生懸命取り組むと
時のたつのも忘れ、夢中になって集中している
という状態を体験したことがあると思います。
その時には何も笑っていませんよね。
あなたは気分が良く、質の高い
パフォーマンスが発揮されているはずなのです。
それが、わたしが提唱している「フロー」
という心の状態です。
人は人間固有の遺伝子として
成長したい、進化したい、というようにできています。
そこでとどまることがないのです。
よりいい自分になりたいと、
どんな人も当然思っているはずです。
外側の原因がなくても
あなたが楽しむと決めればいいだけです。
PS.
もし、あなたがつらくて苦しんだ先にしか
楽しみがないと思っているのなら、
毎日がとても苦しくはありませんか?
今を楽しめるあなたに変えるにはこれが役立ちます
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いつもありがとうございます。このスポーツを話題にされての視点に、ああこれはと思い、メールしています。若いころ、海外で初めてゴルフを始め、ボールはとんでもない方向へ飛びます。そうすると先輩は、走れと言います。それが原因でゴルフが好きになれない、が発生します。あるいは、走って、走らなくても良いようにうまくなる、なろうと思えば上手になります。でも、これは日本人同士でラウンドする時の事。アメリカ人と一緒にラウンドして、終わってくつろいでいる時、彼が言いました。たまにナイスショットじゃないのは誰でもある。でも、走らないでほしい。走られると、こちらがゴルフを楽しめない。ゴルフをして楽しい時間を過ごしたいのだから、走ることで、プレイ仲間に迷惑をかけていないよと言うジェスチャアは不要だと。これをうまく表現されて、さらに、お話に磨きを掛けられてはと、思い、失礼を承知で書き込みました。還暦オトコ
ありがとうございます。とても参考になる、いい考え方だと思います。
「楽」と「楽しむ」…私も以前同じことを考えたことがあります。「Play」は仰る通りです。ただ、日本語でも今は殆ど使う人はいないと思いますが、「する」の尊敬語に「遊ばす」という言葉があります。昔の日本人、特に高貴な身分の方々は日々「遊ぶ」(=楽しむ)ことを知っていたのかもしれません。苦しんで努力することしか知らないのは我々庶民の性なんでしょうか(笑) 平等な現代社会、我々も高貴な身分の如く「遊ばす」言葉を用いてもよいですね。私は中国語に習って敢えて「游ぶ」を使っています。漢文や中国語にも「旅に游ぶ」とか「学問に游ぶ」という言い方がありますからね。
私は「愉しむ」という字を使うようにしています。「愉快」とか「悦楽」でもいいです。
「快楽」もそうですが「楽」という字がはいると受ける印象が偏りますよね。
ところで「悦に感じる」の「悦」は最近使わなくなりましたね。
とてもためになりました。納得しました。有難いメッセージをありがとうございました。
人は人間固有の遺伝子として成長したい、進化したい、というようにできていますーとありますが、何を根拠に仰っているのでしょうか。
書いてあることには、共感できますが、ロジャースの自己実現傾向をそのまま取り入れているのは、違和感があります。