勝つ人は殴られた人?
おはようございます。
スポーツドクターの辻秀一です。
スポーツ界では体罰をめぐる
問題がマスコミで盛んに
報道かつ議論されています。
わたしは断固として「体罰NO」です。
選手を鍛えるため、教育のために必要という
意見もありますが、そんなものは殴る方、
蹴る方の言い訳です。
殴ったから強くなったなんて
ことは絶対にありません。
もしそれが本当なら、
オリンピックで金メダルを取った
選手は「世界で一番殴られた人」
ということになります。
サッカーのスーパースター、
リオネル・メッシや、
バスケのスーパスターだった
マイケル・ジョーダンは、
監督やコーチに殴られて世界最高の
選手になったのではありません。
日本のスポーツ界に体罰が
根深く残っているのは、
背景に勝利至上主義があるからです。
アマチュアスポーツでも優勝すること、
オリンピックで金メダルを取ることが
至上命題になっています。
柔道界には
「金メダルを取れなければ銀も銅も一緒」
なんて発言をする人がいましたが、
これこそ勝利至上主義に毒された考え方です。
勝利至上主義の何が問題かというと、
監督・コーチの存在が絶対化することです。
選手がやり方に異議を唱えると、
「俺の言うことを聞け」
「イヤならやめてもいいんだぞ」と逆に脅す。
選手にすれば、監督・コーチのやり方に
不満を持っていても、言うとおりにしなかったら、
大会に出られない。
もし指導者がイヤでやめてしまったら、
もうそのスポーツを続けていく
道を閉ざされてしまう。
ほかにそのスポーツを続けられる選択肢が
ないからイヤイヤながら従うしかない。
スポーツどころか選手は人生を
人質に取られているのです。
指導者が絶対化されていくことが、
体罰の温床となっていったのです。
スポーツはビジネスに比べて目に見えて
結果が出やすいので、余計に勝利至上主義に
なりやすい側面はあります。
勝利至上主義とは、まさに認知脳の世界です。
勝つために何をしなければならないか、
目標を立てて、大会からスケジュールを
逆算してトレーニングメニューを考えて、
当日にベストの体調に持っていくようにする。
認知の世界てんこ盛りです。
それが不要だとは言いません。
勝つことも大事ですから、認知の世界はあっていい。
それ以上に、スポーツを通じて
人間的に成長して、勝ち負けにこだわらず
一生懸命プレーする。
負けてもいいと言っている
わけではありません。
勝つためには一生懸命プレイすること、
一生懸命プレイすること自体を楽しむ
ことがわたしは大事だとお伝えしています。
その方が勝ち負けにばかりにこだわって
プレイするよりも結果的には
パフォーマンスがはるかに高いのです。
この考え方が浸透すれば、
もっとスポーツが楽しくなるし、
体罰なんてなくなっていきます。
殴られて無理やりやらされている
状態では心の状態はノンフローに
傾いているので決して
パフォーマンスは上がりません。
自発的に一生懸命を楽しむ。
そうしてプレーしたほうが、
心はフロー状態でメキメキうまくなります。
スポーツを愛するものとして、
スポーツは人間の成長を促す素晴らしいものです。
だから「体罰No!」と
声を大にして言いたいのです。
PS.
あなたはどっちのタイプでしょうか?
・結果のためだけにイヤイヤ仕事をしている。
・日々成長を求めて一生懸命楽しんで仕事をしている。
言うまでもなく、後者の方が高い成果を上げますね。
あなたが楽しんで成果を上げる人に変わるには
実践的なこのメソッドがオススメです。
http://123direct.info/tracking/af/368691/x5V7yb85/
佐藤 啓介様
ご意見ありがとうございます。
最後まで読んで頂ければ、辻先生が、体罰反対の意見を
お話されておられることを、ご理解頂けると思います。
初めまして。
僕はあなたの事をよく知りませんが、
“オリンピックで金メダルを取った
選手は「世界で一番殴られた人」
ということになります。”
ここで一気に読む気が失せました。
もう少し、言葉を選んだ方がいいと思います。
仕事でも同様です。片田舎の車産業で働いていると、成長を求めても上席が成果を理解できない、では転職しようにも暗黙の了解で同業種では受け入れられず、従うしかない。流石に暴力沙汰はありませんが、パワハラ的行為は上席の能力によって正論を盾に気付かないままに暗躍しています。幸い自己の信ずる成長を求めていますが、ふと自己満足だけかなと思うときも。イヤイヤでも上席の求める結果(自己成長なし)を出した者がまた上席になる、負の連鎖です。
体罰と暴力の違いを明確にする必要があると思います。
私の場合、変わったやり方をしたときは、なぜ、そのやり方をしているのか聞かれ必要な場合はアドバイスを受けま見守ってもらいました。
また、サボったときやルールを守らなかったときや人に迷惑をかけたときは、剣道の竹刀で臀部を叩かれ人間形成の矯正目的に体罰を受けました。
一生懸命やって結果が出ない、やり方が違うという理由で殴られたり蹴られたりするのは体罰ではなく暴力と私は捉えています。
私もそう思います。脅されて無理強いされて出る結果よりも、自発的にやる楽しさが大切だと思います。かつてのルーマニアのナディアコマネチさんも亡命したアメリカで、別人のように明るい人生を送っていらっしゃいますし、殴られる恐怖でやる練習など、ないほうがいいと思います。