通勤時間とお金と幸福の関係
from 杉本
ノーベル賞受賞者で、
心理学・行動経済学者のダニエル・カーネマンは、
数十年にわたって、
「幸福」を研究してきた成果を、
次のように総括しています。
「幸福とは、
自分の愛する人、
自分を愛している人とともに、
時間を過ごすことだと言っても、
あながち言い過ぎではない」
私もこの言葉を強く支持します。
しかし、現代社会では、
自分の愛する人たちや、
自分を愛してくれる人たちと、
十分な時間を、
過ごすことが難しい状態にあります。
以前私が勤めていた会社で、
8人ぐらいいた、
営業部の課長たちの、
離婚率の高さが、
問題になった時がありました。
週末、顧客と接待ゴルフなどで、
家を空けることがあり、
平日も、出張があり、
またオフィスにいても、
夜遅くまで仕事をして、
1時間以上かけて家に帰る頃には、
もう夜中を過ぎていることが、
原因の1つと考えられました。
仕事は生きるための大切な手段ですが、
家族と違って、
私たちの面倒を、
最後まで見てくれるわけではないと、
強く勧告し、
愛する人たちと、
少しでも時間を多く過ごしてもらうために、
水曜日は、ノー・ザンギョウ・デイにし、
その他の日も、
時間を上手に管理して、
てきぱきと仕事をして、
居残っている人々など気にせず、
できるだけ早く家に帰るよう勧めました。
私たちは、
豊かな生活を送りたいがために、
しばしば、
愛する人たちとの時間を、
犠牲にします。
日本以外でも、
そのことが言えるようです。
スイスの経済学者ブルーノ・フライと
アロイス・スタッツァーは、
「通勤パラドックス」と彼らが呼ぶ傾向を、
明らかにしています。
「人は住むところを選ぶとき、
長い通勤時間の苦痛を、
過小評価する。
つまり、たとえ45分余計に、
通勤時間がかかっても、
部屋数が多く、
芝生の庭も付いた郊外の家に住めば、
幸せになれると、
人々は考えがちである。
長い通勤時間は、
それに見合うものではない
ということがわかってくる」
と言っています。
またベルギーの、
リエージュ大学の心理学チームは、
『Psychological Science』誌に発表された研究で、
「お金は、
人が最高に贅沢な喜びを味わうことを可能にするが、
それゆえに、
日常のありふれた喜び、
(天気がいいこと、子供と公園で遊ぶことなど)を、
味わう能力を低下させる」
と言っています。
そして、
「われわれが遭遇する喜びのほとんどは、
ありふれたものであるため、
贅沢をする能力を得ることは、
喜びを味わう能力にとっては、
かえって逆効果になるのだ」
と言います。
ありふれた喜びを、
愛する人たちと、
毎日味わうことは、
何と素晴らしい喜びでしょうか。
お金や、
部屋数の多い郊外の家も大事なのですが、
それらを得るために、
ありふれた喜びを愛する人たちと味わうことを、
大きく犠牲にすると、
私たちは、
幸せとは逆の方向に、
向かっていくことがあるのです。
育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−
杉本恵洋(すぎもと しげひろ)
PS.
ありふれた喜びを、愛する人たちと毎日味わうには
まず自分自身を認めて幸せで満たしましょう。
http://www.0stresslife.com/zrl/
私は6年前、御金・仕事大好きな営業マンでした。金さえあれば何でもできると
心に言い聞かせ注文で住宅も建設し借り入れもほとんど無い状態でした。
俺は、これから資産を増やし勝ち組の仲間入りを果たすのだと自負してました。
しかし、どんなに年収を増やしても心は満たされぬまま家族は犠牲となり、離婚となりました。
家族に資産全てを譲渡し一人ボロボロの借家に入居することになったのです。
一度割れたグラスは元には戻りません、やり直しなど、何度も効くものでは
ありません。社会は厳しいものです。
全てを失いましたが、今は再婚し資産ではなく、家族を数倍大切に心掛けています。当時の過ちを思い出す、心に響く内容で感涙しました
東京都内での勤務である場合、以前は田園都市線での通勤でしたが、自動ドアも開かないくらい込み合い、一般的に帰宅の時間はそれほどのラッシュにならない路線が多いにも関わらずこの路線は帰宅時もラッシュで耐えられませんでした。住宅や道路、設備などのインフラはいいし、気の利いたレストランもあり、それ通勤時以外の住環境はよかったけれでも耐えられませんでした。今は中央線ですが、どんなに込んでも田園都市線の1/10くらいしか乗車がいないのではないかと思うくらい快適です。職場が近い方を優先して選びましたが、最初は通勤が楽になった時間で涙が出そうになるくらい嬉しかったです。首都圏の通勤状況の悪さは世界最悪で
多少治安が悪くても海外の方がよほど自分にとっては快適です。アメリカにいる時は車通勤でしたが、これも凄く快適でしたが、国内でも地方は車通勤の人もいるのでうらやましいです。
とても素敵で心温まるメッセージをありがとうございました。
大切な人とのかけがえのない時間。振り返ればもっとこうすればよかったのに。
後悔することがあります。お金も大切ですが、誰とどんな時間を過ごすかを改めて考えてみることができました。幸せを感じる。身近に存在することに感謝。
特別ではない、ありふれた日常の一つ一つが、喜びなのだと私も思います。大切にしたいと思います。
とても大切な言葉を教えていただきました。本当にその通りだと思います。
杉本さんの家庭を大切にいておられる姿勢が、今日のお写真にも表れていて、とても素敵です。
気が付いたら、実践するという杉本さんの姿勢が私は大好きです。
まさに、その事を感じる最近でした。
家族、娘との大切ないまの時期の娘との大切な時間を
忙しいにかまけて、なくしている今です。
鋭い指摘ですね。幸福とは笑顔でいること。小川忠洋さんのコメントにもあります。