「処方する前に診断する」
from 杉本
「7つの習慣」で知られるコヴィー博士の娘が、
生後2ヵ月で、病気になったときの話です。
その日は、住んでいる町で、
大きなアメリカン・フットボールの試合が
行われていました。
人口の約半分にあたる、
6万人もの人が、その試合を見に出かけていました。
彼の娘の病状が、だんだん悪化していったので、
彼と奥さんは、医者に相談しようと思いました。
ところが、病院のその日の担当医師も
すでに試合を見に、出かけてしまっていたのです。
彼の妻は、スタジアムに電話をしました。
その頃、ちょうど試合は、山場を迎えたところで
その医師は迷惑そうな声で、電話に出ました。
彼の妻は病状を、説明しました。
「分かりました、薬を処方します。
薬局に伝えておきますから、取りにいって下さい」
受話器を置いた時、彼の妻は慌てていた為に
自分の説明が、不十分ではないかと感じました。
コヴィー博士は、「ジェニーの年は分かっているのかな。」と、
妻に問いかけました。
「分かっていると思うけど・・・。」と妻。
「でも、いつもの医者じゃないし、
この子を診たことも無いんだろ。」と、
彼は再び問いました。
「でも・・・・多分、分かっていると思うの。」と妻。
「分かっているかどうか確信が無いのに、
薬を飲ませるのかい。」と、
もう一度、彼は問いかけました。
そこで、コヴィー博士は、
もう一度電話することにしました。
「先生、先ほど、妻が娘の件で、
話しをさせて頂きましたが
娘が、まだ2ヶ月の赤ん坊だということは、
ご存知でしたか。」と、
彼が問いかけると
先生は「いや、それは知らなかった。
電話してくれてよかった。すぐ薬を変えなければ」と、
薬を変えることになりました。
私たちは、この医者のようなことを、
普段よく行なっているかも知れません。
例えば、「相手の状況を理解したつもりになって、
すばやくその状況あるいは問題に関して、
自分のアドバイスや助言を出してしまう」
ということなどです。
つまり、相手を理解しようと思って、
聞いているのではなく、
答えようと思って、聞いているのです。
「聞く」と違って、「聴く」は、
「耳」と「目」と「心」で聴くと、
よく言われます。
7つの習慣では、そのことを「感情移入の傾聴」と言います。
「感情移入の傾聴」を、
おこなうときは、次のようにします。
・ 相手の目を見て、相手の動きも観察して、相手の気持ちを探ろうとします。
・ うなづいたり、身を乗り出したり、相手に、ちゃんと聞いていますよというサインを出す。
・ 相手の話した内容を要約して、「これこれ、こう言うことなんですね」と、相手の感情を反映した言葉を返す。
これを行なうと、
相手の心が開いていくのが分かります。
人と人との関係が強化されるためには、
このような効果的なコミュニケーションが欠かせません。
自分を理解してもらうことを、まず考えるのではなく、
まず自分が、相手を理解しようと努めると、
相手は自分を心から理解してくれるのです。
育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−
杉本恵洋(すぎもと しげひろ)
PS.
「話すはスキル、聴くは器」と昔から言われるように
自信に満ち溢れたセルフイメージを身につけると
相手も心を自然と開いてくれ傾聴もうまくできます。
セルフイメージをもっと高めたいなら
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