異動
from杉本
キャリア・デザインという
研修をしていて、こんな話を
聞くことがあります。
「自分はこんな仕事をして、
こんなキャリアを積むのだ」
という希望を持っていた人に、
急に異動の辞令が下る。
異動という出来事は、自分の将来の、
どのページにも書かれていませんし、
書き加えようにも、どのように
書き加えたらよいかわかりません。
ただ「こんなはずではなかった・・」
と思うだけです。
異動という出来事が、
自分の将来の一部となり、
「あの異動は、自分の人生の中で
こんな意味を果たしたのだ」
と思えるようになるまで、
その出来事は、胸の中の、
ちょっとした重さとして残ります。
企業のトレーニングで、参加者に
「どんなときに、
モチベーションが下がりましたか?」
と聞くと、結構多いのが、
「異動したとき」という意見です。
もう少し詳しく聞くと、
どうも「なぜその部署に行くのか?」
その説明を、あまり上司から
聞かされなかったというのが、
モチベーションが下がった、
大きな原因であるようです。
しかし一方で異動の時に
強くモチベーションの高まりを、
感じたという人もいます。
行きたい部署に異動できたケースは
モチベーションが上がって当然ですが、
中には、
「望ましい部署ではなかったけれど、
何を自分に期待してくれているのか、
上司が、とても丹念に伝えてくれたので、
やる気が上がった」という人もいます。
だから、異動を初めとして、
ほんのちょっとでも、部下が心のノートに、
書き入れにくい出来事が起こると
部下がそれらを、心に取り込めるように
上司はしっかり話をするべきです。
プロ野球の星野監督も、
選手を2軍に落とすときには、
相手が納得するまで、その理由について、
じっくり説明するそうです。
そしていつ戻ってきて欲しい、
という期待もしっかりと伝える。
選手の中では、2軍落ちという
つらい出来事も、いち早く心の中に
取り込めるわけです。
全く予期していなかった、
新しい仕事も、やる意味をしっかり
与えてやれば、その人にとって、
新しいキャリアになっていきます。
それが、人を育てる秘訣、
とも言えるのではないでしょうか?
育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−
杉本恵洋(すぎもと しげひろ)
PS.
ちなみに、
外部の環境変化にも左右されず、
ブレない自分を作るには、
この方法がオススメです。
http://www.0stresslife.com/zrl/