墓地のセールス
from 杉本
営業マンとして成功したいのなら
売る側の(自分の立場ではなく、)
買う側の(顧客の立場に立って)
ものごとを見なければならない。
これは、営業トレーニングをするときに、
必ず伝えていることです。
そして、その実例として、
広告代理店の社長として、
輝かしい成功を収めた、
バート・マニングという人の、
体験談をいつも紹介しています。
バートは若い頃、
作家を目指していましたが、
残念ながら筆一本で
生活を支えることはできませんでした。
そこで色々な支払いのために、
アルバイトをしたのですが、
最も良い収入になったのが、
墓地の販売でした。
最初彼は、
会社で受けた訓練の通りに、
訪問した人々に、
次のように熱心に訴え続けました。
・シカゴの急速な人口増加から見ると、
墓地の払底はいかに確実であるか
・5年間の買い戻し特約が、
いかに危険のない取引であるか
・土地の値段が上がっていくので、
投資の対象としても申し分がない
などについてです。
実際とても有利で安い投資なので、
他の地区の先輩たちは、
そのセールストークで、
随分成功していたのです。
しかし、彼の回った地域では、
一件も売れませんでした。
それは、その地域に住む人たちの、
最も重要な関心事に焦点を当てる代わりに、
経済的な視点だけを重要視して、
セールスしていたからでした。
バートは、
最も大切な質問をするのを、
忘れていました。
それは、
「この人たちに一番関心があるのは、何だろう?」
ということでした。
そこで彼は、
その地域の人たちに、
直接、聞いてみることにしたのです。
すると、わかって来ました。
彼らはとても互いの結びつきが強い、
外国からの移民たちの子孫でした。
いとこ、祖父母、叔父、叔母、
皆近くに住んでいたのです。
そこでバートは、
財産形成について訴える代わりに、
別のことを話し始めました。
彼らが住んでいるところから、
遠く離れず行きたいときに行ける場所に、
自分たちや、おじいさん、おばあさんのお墓を、
持つことができるということでした.
一旦、彼らが本当に何に関心があり、
何を欲しているかを理解した後、
どれほど簡単にそれを手に入れることが
できるかを示すと、きわめて順調にいったのです。
バートは、人生の教訓として、
次のことを学びました。
「ものごとを相手の視点から見よ」
これは、ものを上手に売るためだけでなく、
世の中で良い人間関係を築くためにも、
最も重要な鍵です。
育自コンサルタント
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杉本恵洋(すぎもと しげひろ)
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「ものごとを相手の視点から見よ」
を忘れないようにします。
ありがとうございます。