人間の寿命は23年?
From:杉本恵洋
「また恵洋(しげひろ)やろ!」と
父が怒鳴っています。
小学生低学年の頃、
ファーブル昆虫記に、
のめり込んでいた私は、
虫の観察に明け暮れていました。
それで、アリをガラス瓶に
入れて、家の中で飼っていた
ことがあるのですが、
ある日知らない間に、
瓶の外に出て、父が残しておいた
せんべいに群がり、
戻って来た父が、よく見もせず、
胡麻せんべいか何かと間違えて
食べようとしたのです。
私は、責任を取って、
そのせんべいを
食べさせられたのですが、
アリは、酸っぱいというよりも、
強い蟻酸(ぎさん)で、
舌が痛い、という感じでした。
アリを一度に50匹以上食べた私は、
アリにも、ちょっと責任を感じ、
「僕が食べへんかったら、
どのくらい生きられたんやろ」
と、ふと思いました。
それから、生き物の
寿命について図書館で調べ始め、
生き物は、みんな寿命が違うことを
知りました。
動物の寿命については、
東京工業大学の本川達雄教授が、
「ゾウの時間、ネズミの時間」と
言う本の中で、興味深いことを
書いています。
「哺乳類の場合、
いろんな動物の寿命を、
心周期(心臓が1回ドキンと打つ時間)
で割ってみますと、
15億という数字が出ます。
つまり、哺乳類の心臓は一生の間に、
15億回打つという計算になるわけです。
ハツカネズミは、
心臓がドキンとするのに、
0.1秒しかかかりませんから、
15億回打ち終わるのに、
2−3年しかかかりません。
つまりネズミの寿命は2~3年です。
それに対して、インドゾウは、
1回ドキンとするのに3秒かかるので、
15億回、脈拍を打つのに、
70年近くはかかります。
ゾウはネズミよりずっと長生きなのですが、
心拍数を時間の単位として考えるなら、
ゾウもネズミもまったく同じ長さだけ、
生きて死ぬことになるわけですね」
「そうなると、人間の場合はどうなのかなあ?」
という疑問がわいてきました。
本川教授の計算だと、26.3年になります。
しかし80才まで生きる人がたくさんいるのに、
これは納得いかない数字ですよね。
でも彼は、こうも言っています。
「人間も、もし、煮炊きする技術もなく、
入れ歯もなかったら、
人間だって50歳を過ぎたら、
食べられるものがなくなってしまいます。
もちろん、入れ歯だけで80年、
というわけではないですよね。
安定した食料供給、
安全な都市や医療の発達等が、
飛躍的に人間を長寿化させた要因です」
「実は、縄文人の寿命は31年だった
という推測値があります。
本来の人間の寿命はそのくらい
なのかもしれません。
15−16歳で子供をつくって、
ある程度子育てして、
次の世代にバトンタッチしていく
という循環だったんでしょう」
となると、私はもう寿命を通り越して、
何十年もおまけの人生を
生きていることになります。
おまけの人生をどう生きるか、
自分に与えられた時間の中では
「おまけ」の部分は、
ある意味では
自分自身で設計して生きられる、
やりたいようにやれる、
自由な時間と言えるかもしれません。
そう考えると、
気楽に、楽しく生きられると思いませんか?
おまけの時間なんです。
心のブレーキをはずして、
挑戦したかったことを、やってみませんか?
育自コンサルタント
-自分を育てるお手伝い-
杉本恵洋(すぎもと しげひろ)
PS.
自分自身で設計してやりたいようになるのなら
この方法を試してみてはどうでしょうか?
http://www.nextleader.jp/harada_method/sp/index_nor.php