褒めた方いい?
おはようございます。
スポーツドクターの辻秀一です。
社員や部下のやる気を引き出そうとして、
「褒める」ことがあると思います。
「褒めると調子に乗るから一切褒めない」
と言う人もいるかもしれませんが、
褒めて育てろと言う主張は流行っていると思います。
そもそも「褒める」とは
どういうことかと考えてみると、
相手の良い点や素晴らしい点を見つけ、
讃えるという行為です。
褒められると嬉しいと感じるはずですし、
やる気も出てきます。
褒められることに慣れていない人は
恥ずかしい感じを覚えるかもしれませんが、
それでも悪くない気分がするはずです。
ですが、褒める時に考慮される
「良い点」や「素晴らしい点」は、
多くの場合結果に起因しています。
結果が出たから褒める。
成果が上がったから褒める。
目標を達成したから褒める。
など、相手のことを褒めているようでいて、
実際は結果を褒めているのです。
子供を褒める時も、
同じような理由で褒めることが多いはずです。
テストで良い点数を取ったから褒める。
表彰されたから褒める。
お手伝いをしたから褒める。
日本はスポーツの世界でも、
ジュニア時代の選手に対して
勝つことの楽しさを教えている傾向があります。
勝てば褒められて、
負ければ褒められない。
良い点数を取れば褒められて、
悪い点数を取ると褒められない。
結果が出せれば褒められて、
結果が出せなければ褒められない。
このように、結果ばかりを褒めていると、
どうしても結果に依存した考え方になり、
褒めてくれる相手にも依存しやすくなってしまいます。
すなわち、自主性のない
ローパフォーマーが出来上がるのです。
海外では、ジュニアスポーツの選手に、
徹底して「一生懸命を楽しむこと」を教えます。
結果に関わらず、一生懸命を
楽しめたかどうかを大切にしているのです。
そして、ジュニア時代は
日本の選手が強いにも関わらず、
成長するにつれ逆転してしまうのです。
スポーツを楽しむ基準を「結果」においたのか、
「一生懸命楽しんだプロセス」においてのか、
その差が長期的に見て
大きな違いをもたらしているのだと思います。
もちろん仕事でも同じです。
「結果」を褒めるのか、
それとも「プロセス」を褒めるのか。
この違いは、長期的にみると
社員や部下の成長に
大きな違いをもたらすでしょう。
真に相手の成長を望むのであれば、
一生懸命を楽しんでいるプロセスを
大切にしてあげることです。
それが相手のフロー化を促し、
最高のチームを構成する
最高の人材へと成長してくれるでしょう。
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1件のコメント
プロセスをきちんと見て褒められる指導者はこの国にはほとんど見られない気がする。結果重視の国民性がこの国の今の姿を作ってきたのではないか。