エニグマ~成功の準備
From:森兼
1940年。イギリス。
空を見上げるとそこにはドイツの爆撃機が
渡り鳥のように編隊を組み
イギリス本土に襲いかかろうとしていた。
ナチス・ドイツのポーランド侵攻に始まった
第二次世界大戦は最新鋭の軍備を誇るドイツ軍の前に
イギリス・フランスは劣勢を余儀なくされていた。
機動戦車部隊と急降下爆撃機を絶妙に連携させ、
空と陸の両面からの波状攻撃であっという間に目標を攻略する
ドイツ軍の奇襲攻撃、”電撃戦”は当時、無敵を誇る戦術だった。
そして、その電撃戦で重要な役割を果たしていたのが
戦車部隊と爆撃機、歩兵部隊の情報連携を迅速に行うための
無線通信文を暗号化する最強の暗号機・エニグマ。
6月21日、フランスはドイツ軍の電撃戦の前に
なす術もなくパリを明け渡してしまう。
フランスの兵士たちはイギリスへ亡命せざるを得なかった。
フランスを制圧したドイツは今や
ポーランド西部とフランス全域を支配下に収める巨大国家となり、
その軍事力は海を隔てたイギリスを脅かしていた。
7月10日、勢いに勝るドイツはイギリス本土爆撃作戦
”バトル・オブ・ブリテン”を開始する。
劣勢のイギリスが本土を防衛するためには
ドイツ空軍がどこを狙ってくるのかを速やかに知り
ピンポイントで迎撃部隊を出撃させる必要があった。
そしてそのためにはドイツ空軍の
作戦情報に施された最強のエニグマ暗号を
解読しなければならない。
戦争の趨勢はエニグマの解読に懸かっていた。
エニグマの暗号は解読不可能と思っていたイギリスだったが、
ポーランドの暗号解読者・レイエフスキの解読結果により
エニグマ攻略は不可能ではないということを知った。
レイエフスキの解読は改良型のエニグマには通じず、
ポーランドはドイツに占領されてしまったが、
イギリスはこの一筋の光明をもとに
200人にも及ぶ暗号解読班を組織する。
アラン・チューリングという若者も
その中の一人だった。
幸い彼の手元には長年にわたって傍受された
膨大な量のドイツ軍の暗号化された命令文があった。
彼が1つ1つ丁寧にこの暗号文を見ていると
命令文を時刻や場所で分類できることに気付く。
そして、ドイツ軍は朝に必ず天気の情報を
流しているという事実を発見しそこに活路を見出す。
ある時刻に発信された暗号文は
必ず天気の情報が含まれている
と仮定することができた。
数学者としての才能に加えて機械の知識にも造詣の深かった彼は
これを手がかりに暗号を半自動で解読するための
暗号解読機を設計するのだった。
そして、その解読機は最終的に
あらゆる設定のエニグマの暗号を
1時間以内に解読することに成功する。
さらにチューリングは解読機の性能を上げるため
当時のイギリス首相・チャーチルに予算の増額を直訴した。
暗号の解読が戦局を決定的に左右することを
理解していたチャーチルは、
この直訴を認め彼に無制限の予算を与える。
その結果、イギリスはバトル・オブ・ブリテンを制し
イギリス国民をドイツ空軍の爆撃から守り次第に劣勢を挽回する。
エニグマが解読されているとは夢にも思わなかったドイツ軍は
その後も情報が筒抜けの状態で戦争を継続し、
第二次世界大戦に敗北するのである。
チューリングの数学者としての経験と
機械に対する深い知識は
暗号解読機のアイディアをもたらした。
これは、彼が暗号解読の仕事にあたる前に
十分な数学と機械の知識を有していたからだ。
そしてこれは誰にでも当てはまることで、
基本的に何かについて成功するには、
十分な知識・経験がなければ難しい。ある日目覚めると、突然成功していた。
なんてことはあり得ないのだ。だから、常日頃から成功するために
小さな目標をコツコツと達成してスキルを身に付け、
自分自身に対して自信を持つことが大事なのだ。
そして、そのスキルと自信とチャンスがうまくかみ合ったとき、
成功へ向けての歯車は回り出す。
成功のための準備をしよう
そして成功のための行動を起こそう
チャンスはそういう人の元に訪れる。
ーマーケティング・ディレクター 森兼
PS.
ドクターモルツの12週間プログラムで
成功するための準備をしましょう。
http://www.drmaltz.jp/zrl/new/ogawa_story.php?mag=Psycho20090330-2
PPS.
戦争の終結と共にエニグマはその役割を終え、
新時代の暗号機・コンピューターにとって代わられるのである。
(完)
勝つとか負けるとかは立場や時の流れの中では定かな事では無いと思います。
そんなことに執着し過ぎて重苦しい日々を過ごすより、限り在るかけがえの無い
日常を少しでも明るく楽しく過ごせるようにしたいと庶民は思っています♪
人の織り成す世界にユートピアや完全は無い事は百も承知のこの年齢!!
世の中の幸せ総数が少しでも少しでも増えますようにと願って居ります♪
勝つべくして勝つ。負けるべくして負ける。
選択をしているのは自分。
流れに沿わなくなったものは自然と負けたり消えたりする。
歴史も個人の人生も同じ流れ、マーケットも同じ、
物事を違う視点から考えてみると、色々な事が見えます。
縁がない遠い過去の筈ですが、そう思えない共通の要素を感じます。
大変興味深い話でした。