レッドクリフ～行動のパワー

Posted by admin in その他 On 4月 2, 2009

From：森兼

映画・レッドクリフのパート２が
間もなく公開されるそうだ。

テレビやネットではジャンジャン宣伝していて
その迫力ある映像はなかなか興味をそそられる。

この映画は三国志の世界を題材にしていて、
レッドクリフの舞台になった赤壁（セキヘキ）の戦いは
三国志中盤の最大の見せ場だ。

赤壁の戦いのあらすじを一言で言ってしまうと
中央政府を牛耳る曹操（ソウソウ）が攻めてきたから
それをやっつけて懲らしめてやろうというシナリオだ。

レッドクリフでは曹操が
悪役の筆頭として描かれているが、
実際の三国志の物語は曹操が中心だ。

曹操は危機に瀕した中国を平定し
安定した国家を取り戻すべく
立ちあがった英雄なのだ。

彼が歴史の表舞台に登場した今から１８００年前の中国、
当時、２００年にわたって中国を収めていた帝国・漢は
未曽有の危機に瀕していた。

皇帝は政治に全く関心を示さず
その皇帝を補佐する政治家たちも
不正や汚職で利己主義に走り、
民衆のことを真剣に考える者はいなかった。

こう書くと今の大不況時代にも状況は似ているが
三国志の時代の民衆は食べるものにすら困っていたのだから
実際はもっともっと悲惨だっただろう。

そんな中、民衆の間で太平道という宗教が広まる。
太平道の教祖、張角（チョウカク）は反乱軍を組織して
中央政府の転覆を画策していた。

この計画は黄巾の乱という形の民衆反乱となり
かつてないほど大規模のものとなる。

弱者は虐げられ、強盗や略奪が横行し
秩序は失われていくのだった。

慌てた政府は地方の有力者に声をかけて反乱の鎮圧に乗り出す。
曹操もその要請に応じた有力者の中の一人だった。

有力者たちの活躍により黄巾の乱は無事に鎮圧されるが、
皮肉にもそれは皇帝の権威がすでに
有名無実となっていることを意味していた。

もはや漢帝国の弱体化は誰の目にも明らかで
反乱の平定に活躍した地方有力者が虎視耽々とにらみ合う
群雄割拠の時代に突入していた。

そんな危機的な状況にも関わらず、
未だ中央政府の政治家や官僚は権力闘争に明け暮れ
権力者が変わるのは日常茶飯事となっていた。

それに乗じた地方有力者の一人、
董卓（トウタク）は手元の軍勢を率いて
都に入り一気に実権を握ってしまう。

実権を手に入れた董卓は都で暴虐の限りを尽すが、
政府の中で彼に意見する者はことごとく処刑され
皇帝でさえ意のままに操るようになる。

董卓の横暴を見かねた地方の有力者は
反董卓連合軍を結成するが、
強大な董卓の軍を恐れて何もできないのだった。

しかし周りが恐れて何もできない中、
董卓に敢然と立ち向かった者がいた。

曹操だ。

曹操の軍は董卓の軍に散々に負けてしまうが
それでも彼は諦めず、
私財を投げ打って軍を再編成するのだった。

しかし、もともと寄せ集めに過ぎなかった連合軍は
次第に利害の食い違いから結束にひびが入り、
一人、また一人と去っていき、連合軍は解散することになる。

負けはしたが、反董卓連合軍で
勇敢に戦った曹操はその功績が認められ、
ついに地方の統治を任命され足場を得ることに成功する。

足場を得た曹操は合理的な能力主義を徹底する。
そんな曹操の元には多くの優秀な人材が集まり、
やがては有力者に肩を並べるほどの勢力に拡大していく。

当時、弱小勢力だった曹操に
多くの優秀な将兵がつき従ったのは
彼が実際に行動を起こす人だったからだ。

実際問題、世の中には
口だけが達者な人というのが実にたくさんいる。
だから行動する人の元には自然と人が集まっていく。行動することで結果が生まれる。
そして結果を出すことで他者から信頼され
人に影響力を与える存在となることができる。

さらに、このことは逆の視点も与えてくれる。

他人が信頼するに足る人がどうかを判断するには
その人がどういう行動を起こして
どういう結果を出しているかを冷静に見ればよいからだ。

その人が言う言葉を信じるのではなく
その人の行動と結果を信じるようにするだけで
信頼するに足るか否かを見分けることができる。

曹操は乱世を勝ち抜くために
誰よりも早く行動し、
部下や民から信頼を獲得した。

僕たちも行動して結果を出すことが、
仕事をする上でも日常生活を送る上でも
人を引き付ける極めて強力な武器となるだろう。

ーマーケティング・ディレクター　森兼

ＰＳ．
リー・ミルティアはウォルト・ディズニーやＩＢＭで
たくさんの実績を残し、今もビジネスの第一線で活躍している。
彼女のビジネスコーチングを参考にしてみるのもお勧めです。
http://www.milteer.jp/msc/letter.php?mag=Psycho20090402-2

ＰＰＳ．
念願の領土と自前の軍隊を得た曹操は
近くの勢力をどんどんと吸収し、
周りの有力者から危険視されていくことになる。
（つづく）