レッドクリフ~リーダーの資質
From:森兼
映画・レッドクリフの題材となった三国志の時代。
西暦200年中国。
当時、名目の上は中国を統治していた漢王朝は
腐敗した政治と民衆の反乱で崩壊寸前の危機にあった。
映画・レッドクリフの悪役、曹操(ソウソウ)は
そんな時代の中、混乱を収拾させるべく立ち上がる。
世の中が混乱を極める中、
各地では有力者が名乗りを上げ
勢力を拡大する戦争が絶えなかった。
そんな中、曹操は弱小勢力ながら
優秀な人材を活用することで着々と勢力を伸ばしていた。
196年。
曹操は自分の勢力を決定的に有利にするカードを手に入れる。
彼は部下の助言に従って
都から逃げてきた皇帝を保護したのだ。
これにより彼の行動は全てにおいて
皇帝からの命令という
正当性を持たせることができるようになる。
こうして急速に勢力を拡大している曹操を
周囲は次第に危険視するようになる。
曹操と同じように急速に勢力を拡大していた
袁紹(エンショウ)もその一人だった。
西暦200年
曹操と袁紹は互いの領土が接する官渡(カント)の地で
お互いの存在を懸けた天下分け目の決戦の火蓋が切って落とされる
お互い負けるわけにはいかない。
なぜならこの戦いに勝利したものが
中国の事実上の覇者となるからだ。
戦前の兵力の差は袁紹が圧倒的に有利。
おまけに曹操軍は食糧に乏しく
普通に戦えば袁紹は負けるはずがない。
袁紹の部下は戦況によっては
負けるリスクのある短期決戦よりも
食糧の差を利用して安全に勝利する持久戦を主張した。
ところが、袁紹は部下たちの意見をことごとく退け、
華やかな短期決戦での勝負にこだわった。
さらにあろうことか
それでも持久戦を主張してくる部下を
怒鳴りちらして投獄してしまう。
呆れた部下の一人は袁紹を見限り
曹操の元へ寝返ってしまうのだった。
曹操に寝返った部下は
曹操に袁紹軍の食糧倉庫を攻撃するように進言する。
曹操はその情報に喜び
自ら5000の兵を率いて食糧倉庫に奇襲攻撃をかけた。
この戦術は大成功を収め
戦局の逆転はさらに袁紹軍からの造反者を生み
袁紹の軍は崩壊してしまう。
袁紹は勝てる戦に負けてしまったのだ。
反対に曹操は部下の助言によく耳を傾け
それを積極的に採用することで負ける戦に勝利した。
この戦いで中国の勢力図は曹操優位で確定し
以後、曹操が時代を動かしていくことになる。
曹操が皇帝を保護できたのも、
官渡の戦いに勝利できたのも、
部下の助言によく耳を傾けたからだ。
中には手痛い失敗もあっただろうが
そもそも優秀な人間が考えて、上申してくる助言だから
うまくいく可能性が高いのだ。
逆に袁紹のように優秀な部下が的確な助言をしても
事実に沿わないこだわりや
優柔不断な態度で決断を遅らせると
決定的なチャンスを何回も逃してしまうことになる。
このように部下の力を的確に活用できるかどうかは
仕事をする上で極めて重要な意味を持つ。
なぜならば、曹操もそうであったように
上に立つ人間の下にはたくさんの情報が入ってくる。だから、実務的な細かい作戦を1つ1つ考え、判断していては
時間がいくらあっても足りないのだ。
そんなとき、部下にいろいろな判断を”任せる”ことで
大幅に時間を節約し他の仕事に時間を割くことができる。
そして、そうすることが
スピード感を持って次々と仕事をこなすためには
必要不可欠なのだ。
曹操は有能な人材を集める資質と
集まった人材を的確に活用する力で
急速に勢力を拡張することができた。
人材を活用することで
あなたももっともっと仕事をこなしていけるはずだ。
ーマーケティング・ディレクター 森兼
PS.
こういった部下の能力を引き出せる力を
一般的にリーダーシップという。
リーダーシップを学びたい人はここをチェックしよう
http://www.milteer.jp/letter.php?mag=Psycho20090406-2
PPS.
官渡の戦いに勝利した曹操は
中央を制し中国の支配権を決定的なものにする。
そしてその勢いに乗り
大軍を率いて地方の統一に乗り出す。
しかし、向かうところ敵なしだった曹操の前に
一人の若者が立ちはだかる。
三国志時代を通じて最も頭脳明晰と言われた男、
諸葛亮孔明である。
(つづく)