蚊取り名人
from杉本
妻は、ほぼ100%の確率で、
家に入り込んで来た蚊を逃がしません。
家に蚊が入って来ると、
殺気をめらめらと燃やし、
攻撃範囲内に入ってくるや否や、
両手でパチーンと、抹殺してしまいます。
話は変わって・・・
30代のある時、ある企業で支店長をしていた私は、
会社に行こうとすると、
めまいが起こるようになりました。
耳鼻科、内科、脳神経外科など、
いろいろな病院に行ったのですが、
結局、「自律神経失調症では?」と診断され、
精神科のカウンセリングに通うよう勧められました。
私がなかなか行かないものですから、
妻が予約を取り、私を病院に連れて行きました。
診察室の前で順番を待っていると、
妻は、蚊が何匹か飛び回っているのに
気づきました。
いつものように殺気がめらめらと燃え始め、
いきなり立ち上がったかと思うと、
ぱちんぱちんと、次々に、仕留めていきました。
内科の診察室の前に座っていたおばあさんたちが、
私たちを見ていて、
「奥さんのほうが患者さんやったんか!」と
よく通る声で、ささやきあっています。
もちろん患者は私で、
診察室には私が入っていったのです。
この時、私は職業人生で始めて、
大きな挫折を味わっていました。
セラピストの先生に、いろいろ尋ねられ、
「自分で営業をしているときは良かったのですが、
一人、また一人と部下ができて、
部下を通して、
目標を達成することの難しさにぶつかったのです。」
と話していました。
そして、本社にも、支店の皆にも、
自分の失敗や悩みを言えず、
一人でそれを抱え込んでいました。
つまり自分の失敗や悩みと、しっかり向き合えていなかったのです。
私たちは、「自分の失敗は早く忘れてしまいたい」と思いがちで、
失敗と向き合わず、むしろそれに蓋をしようとして、
結局、自己嫌悪に陥ったり、
自分に自信が持てなくなって来たりします。
失敗と向き合うとは、
自分を否定するのではなく、
その失敗した自分を受け入れ、認めてあげることです。
優しい両親が、
子供に尋ねるように、
「どんなことがあったの?」
「そう? そんなことがあったの。」
「どんな気持ちを感じたの?」
「そう? そんなに悲しかったのね~。」と
批判も非難もせず、優しく自分と向き合うことが大切です。
優しい両親が、
必ずしも自分の行為に、賛成してくれる訳ではありませんが、
しかし、自分の感情を一緒に感じてくれるように、
自分で、自分自身の気持ちを、
そのまま感じ取り、受け入れてあげましょう。
そうすると、
「これから、どうやったらいいのだろうか?」
を考え始めることができます。
そうです。
「失敗は成功のもと」になるのです。
その失敗の経験が、
成功の体験に置き換わっていくのです。
あなたの、「失敗は成功のもと」は何ですか?
教えて下さい。
育自コンサルタント
-自分を育てるお手伝い-
杉本恵洋(すぎもと しげひろ)