やる事が増えて時間がなくなるワケ
おはようございます!
マット・フューリーです。
今から、あなたの知識をちょっとだけ広げてもいいですか?
ほんのちょっとだけですが・・・。
OKなら、先を読み進めて下さい。
あなたは耳にタコができるくらい、この言葉を聞いていますね。
「やる事がたくさんあるのに時間がない」
この時間に対する考え方について、ちょっといじってみました。
「やる事はたくさんあるし、時間もたっぷりある」
印象が、がらりと変わりましたね?
しかし、現実には、多くの人々が、
時間とは不足しているものだと考えています。
彼らは時間のことを、足りない資源、
非常に限られた資源のように捉えています。
この考えの下で一日を計画しようとするので、
一日の中に可能な限りたくさんの事を
詰め込もうとするのです。
急いで、もっともっと急いで。
速く、もっともっと速く。
この「より早く、より迅速に、急いでやる」というのは、
一種の人生を生きぬく方法として、あるにはあります。しかし、果たして、それで良いと言えるのでしょうか?
この点について、私は両者の立場から論じる事ができます。
まず、ビジネスにおいて、顧客はスピードを求めます。
同じ事がほとんどのスポーツについても言えます。
どれだけ速くA地点からB地点まで行くことできるか計測され、
速ければ速いほど、より多くのポイントをゲットできます。
しかし、これには陰と陽の側面があるのです。
例えば、中国文化を表すのに、
最も重要な言葉が「慢(マーン)」です。
(口を開けて「アー」と言って、
その最初に「マ」を、最後に「ン」を加えれば、
「マーン」の正しい発音ができるでしょう)
とにかく「慢(マーン)」
それは「ゆっくり」という意味です。
中国人の伝統的思考を理解する上で、
この言葉は避けて通れないくらい重要です。
例えば、彼らはご飯を食べる時、
「慢慢吃(マーン、マーン、チー=ゆっくり食べてね)」
またレストランで食事を終えて席を立とうとすると、
お店の人から「慢慢走(マーン、マーン、ゾウ=ごゆっくり)」
と言われます。
新しい分野を勉強する時も、
中国人は「慢慢学(マーン、マーン、シュエ=ゆっくり学ぼう)」
と言います。
文化的に、中国は道教の国です。
そこには、何かをやり遂げるための競争はありません
(もちろん、競争をしなければ、の話ですが)。
しかし、中国はここ20年で驚くべき経済成長を遂げました。
その成長率は、
アメリカ合衆国のそれとは比べ物にならないくらいです。
それでも中国は、「ゆっくり」を重んじています。
事実、アメリカの政治家たちが
1,100ページもの景気対策法案を、
スピード重視のために読みもしないまま可決させ、
無理やり国民に押し付けた件について、
中国メディアは嫌悪をあらわにして報じています。
話を戻します。
中国で食事を取ると、2時間くらいかかります。
ゆっくり食べる
――そこには、「無駄な時間」という概念も、
「やる事がたくさんあるのに時間がない」という概念も
存在しません。
また、中国のマッサージ店では、
基本メニューは2時間半くらいかかり、
もし私が延長を希望すれば、
マッサージ師は喜んでそれに応じてくれます。
***
トレーニングをした後、
私はよく公園のベンチに座り、視線を前に向け、
リラックスして、呼吸をします。
そこにも時間の概念はありません。
同じ事を、食事を取った後にもします。
中国には、太極拳や心意六合拳、八卦掌など、
内面を鍛えるための内家拳と呼ばれる武術があります。
そのすべてに共通しているもの
――それは、とてもゆっくりな動きです。
***
西洋社会のタイムマネージメントや
目標設定で見られる問題点の一つが、
今日、人々が信じられない位にあくせくしているという点です。
しかし結局のところ、
急いでばかりいては、
プラス以上にたくさんのマイナスを抱えるだけです。
事実、急いでいると心臓に良くありません。
しかし、今日の中国を見てください。
携帯電話やテレビ、ラジオ、ジェット機、
車などを持つようになっても、
人々は未だにこう考えています。
「慢慢走(マーン、マーン、ゾウ=ごゆっくり)」
2千年以上前の人々が、
どうこの言葉を捉えていたのか、分かりますか?
当時の人々が一瞬たりとも
「やる事がたくさんあるのに時間がない」
と考えた事はないでしょう。
時間とは、自分の好きなように
整理したり分類したりすることができるものです。しかし、時間は常にそこにあるものです。
時間は、あなたが現れる前にもそこにいて、
あなたが去った後にもそこに存在するのです。
***
物事をやり遂げる際は、
急いで早く片付けようとするのではなく、
深呼吸してリラックスする方法や
効率を高める方法について考えましょう。
そうすれば、成し遂げられる量は多くなるでしょう
――少なくなるのではなく。
ゆっくり進む事で、より多くの事を
より早く片付ける事ができるのです。
やる事はたくさんあるし、時間もたっぷりある
――なんて素晴らしい考え方なのでしょう!
お元気で
マット・フューリー
PS.
ドクターモルツの12週間プログラムは
サイコ・サイバネティクスのゆっくりリラックスして成功する方法
を効果的に学ぶことができます。
http://www.drmaltz.jp/zrl/new/ogawa_story.php?mag=Psycho20090423-1
いつも楽しみに、気持ち良く拝見させて頂いております。
私は72歳の暇人ですが現役時代はめぐり合わせで自分の性に合わない事ばかりを四十数年間して来たように感じています。今になってやっと経済的にも
時間的にも余裕が持てるようになりました。健康にも自信があるし、これから自分の好きな事を好きな様にやろうと考えて居ります。「慢慢学」身にしみました。ありがとうございました。