アメリカでケンカ

Posted by admin in Dr.モルツの自己啓発 On 8月 22, 2012

from　杉本

私は中学２年生ぐらいから、
反抗期と言うか、
ちょっと荒れ始めた時期があり、
３日に１度は、
誰かとけんかをするような状態でした。

あるとき、１才下の弟とも、
激しいけんかをしました。

母も、止めることができず、
泣き出してしまうほどのけんかでした。

お互いの身体に、大きなダメージが残りましたが、
それよりも心の方に、
より大きなダメージを負ってしまいました。

それで私は、そのときから、
もう誰とも、けんかはしないと、
心に決め、そのようにしてきたつもりです。

そんな私が、３０才を過ぎて
始めて海外出張をすることになり、

西海岸のオレゴン州から始めて、
２週間の予定で、１０カ所ほどをまわり、
最後に、東海岸のニューヨークにたどり着きました。

ニューヨーク郊外の訪問先を、訪ねて
電車でニューヨーク市内に戻ってきました。

駅で宿泊先のホテルに電話をし、
場所を確認して、さあ最後の一踏ん張りと思って、
振り向くと、１人の黒人男性が
私の前に立ちはだかり、
「ホテルから迎えにきました」
と言うのです。

今電話を切ったばかりなのに、
そんなはずはありませんし、
服装も、ホテルから来た人間のものとは思えません。

「案内はいらない」と、
何度言っても、引き下がらず、

疲れもあって、とうとう根負けした私は、
資料が一杯になった、
３０キロほどの重さになった、
その鞄を彼に渡すと、

一瞬彼も躊躇したようですが、
腰を入れて、肩に担ぎ上げ
ついてきました。

そして、人通りが途切れたとたん、
彼の人相が急に変わり、恐い顔をして、
「金を出せ」と言ったのです。

そのとき、私の頭の中で、
「プッツン」という音が聞こえました。

私は今にもつかみかからんとする勢いで、
そのときまでに習った、
できる限りの悪い英語を彼に投げつけたのでした。

彼は少し、ひるんだのでしょうか、
いくらでもいいから、というような感じで、
お金をほしがりました。

ポケットに入っていた５ドル札をつかんで、
彼に投げつけると、
それを持って、彼は急いで去っていきました。

まだ興奮は収まっていませんでしたが、
ホテルにチェックインして、いすに腰掛けて
じっとしていますと、背中から冷や汗が出てきました。

何と恐ろしいことをしたのだろう、
相手次第では、今頃ブスッと刺されるか、
バーンと、撃ち殺されるか、
していたかもしれないと、思い出したからです。

もう少し時間が経つと、
もうけんかはしないと決心し、
そうしてきたのに、
今までの努力が水の泡だと、
がっかりする気持ちが、起こってきました。

７つの習慣という書物の中の、
第一の習慣、「主体性を発揮する」に、
「刺激と反応のあいだには、スペースがある。
そのスペースに、自分の反応を選択する自由と力がある。
そして自分の反応には、自己の成長と自由とがかかっている」
という言葉があります。

もう一度、私はそのときに、
この言葉に従う決心をしました。

黒人男性からの刺激に対して、
私は瞬間湯沸かし器のように、
すぐに反応しました。

どんな刺激にも、スペースをとって、
つまり時間を取って落ち着き、
冷静な対応をしようと、
決意しました。

自分の成長を、
損なうようなことはしないと、
決めたのです。

自分の成長を損なう反応を誘う刺激に対して、
スペースを取るという、
大事な原則を、今も大事に心にしまっています。

育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−

杉本恵洋（すぎもと　しげひろ）

PS.　７つの習慣の内、第一の習慣「刺激と反応」の続きを是非学んでみて下さい。きっと自己の成長に役立つことが学べることでしょう。

2件のコメント